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  • 2025.6.17

ペットのグリーフケアとは? 悲しみに寄り添う方法

ペットのグリーフケアをテーマに、愛犬を抱いて涙する女性の姿を写した感情的なアイキャッチ画像

大切な子を見送ったあとの悲しみに、やさしく寄り添うグリーフケアのかたちを伝えます

もうあの子はいないのに、どうしてごはんを用意してしまったんだろう

朝、無意識にいつもの場所に手を伸ばしてしまう。
冷蔵庫から、あの子の好きだったごはんを取り出して、
お皿にのせて、ハッと気づく。

「…もう、この子はいないんだった」

そう言って、崩れるように床に座り込んでしまった。

——これは、小田ペット葬祭で開催した「ペットと私のグリーフケア」セミナーで、ある参加者の方が話してくださった言葉です。

私たちは「もう十分かわいがった」「命あるもの、仕方がない」と、
頭では理解しているつもりでも、
心はまったく納得してくれないことがあります。

泣きたくないのに、涙が止まらない。
日常は続いているのに、自分だけが取り残されたような感覚。
「悲しみ」にすら、うまく名前がつけられないまま、
ただ時間だけが流れていく日々。

でも、そんなあなたの心は壊れているわけでも、弱いわけでもありません。

それは、「大切に想っていた」という証。
そして、その想いを見つめ直すための方法として、
「ペットのグリーフケア」という言葉があります。

この記事では、ペットとの別れに直面したとき、
どう心と向き合い、何を大切にすればいいのかを、
専門家の声実際の体験談を交えながら紐解いていきます。

もしあなたの悲しみが、少しでもやわらぐきっかけになれば——。
そんな想いを込めて。

ペットロスは“病気”じゃない。でも、ちゃんとケアが必要です

ペットを亡くした人の中には、こんなふうに思ってしまう方が少なくありません。

「人間の家族じゃないのに、こんなに辛いなんておかしいのかな……」
「ずっと落ち込んでいる自分がダメなんじゃないか」

けれど、ペットとの別れによって深い悲しみに襲われるのは、
決して特別でも、異常でもありません。

それどころか、近年ではこの心の痛みに名前がつけられるようになってきました。
それが「ペットのグリーフケア」です。

グリーフとは何か?

「グリーフ(Grief)」とは、死別や喪失によって生じる深い悲しみのこと。
もともとは人間の家族を亡くした際のケアとして研究が進められてきましたが、
近年ではペットとの別れにも同様の支援が必要だという認識が広がってきています。

今やペットは“家族の一員”として共に暮らす存在です。
一緒に眠り、旅行に行き、日常のすべてを共に過ごした命。
そんな存在がいなくなったとき、人は心の居場所を失ってしまうのです。

ペットのグリーフケアが注目されている背景

  • 単身世帯や高齢者世帯の増加
  • 子どものように育てる家庭が増えている
  • 「最期まで看取る」という文化が根づいてきた

こうした社会背景の中で、ペットの死は単なる“動物の死”ではなく、
人生における深い喪失体験として、多くの人の心に影響を与えています。

しかし現実には、「たかがペットで」「また飼えばいいじゃない」といった言葉に、
心を閉ざしてしまう飼い主も少なくありません。

だからこそ、私たちが伝えたいのはこの言葉です。

「あなたの悲しみは、おかしくなんかない」

ペットのグリーフケアは、そうした想いを受けとめるための、
やさしい考え方なのです。

どうして私だけが、こんなに辛いの?――悲しみの5つのステップ

「毎日泣いてばかり。いつになったら楽になれるのかわからない」
「仕事も手につかないのに、周りの人は普通に過ごしていて……。どうして私だけ、こんなに苦しいの?」

——そう感じている方は少なくありません。

でも、それは“あなただけ”ではないのです。
ペットとの別れに直面したとき、人の心はある特有のプロセスをたどります。
それが「悲嘆(グリーフ)の5段階モデル」です。

悲しみの5段階(キューブラー=ロスのモデル)

精神科医エリザベス・キューブラー=ロス博士が提唱したこの理論は、ペットロスにおける感情の変化を5段階で示した図解。否認・怒り・取引・抑うつ・受容の順に、キューブラー=ロスモデルに基づいて説明されている。

死別や喪失に直面したとき、人がたどる心のプロセスを示したものです。

  1. 否認(Denial)
    「まさか、この子がいなくなるなんて…」
    現実を受け止めきれず、心が麻痺したような感覚。
  2. 怒り(Anger)
    「もっと早く気づいていれば」「あのとき病院に連れて行っていれば」
    自分や他人に対して怒りや後悔が湧いてくる。
  3. 取引(Bargaining)
    「あと一日だけでいいから会いたい」
    何かを差し出せば戻ってきてくれるのではという想い。
  4. 抑うつ(Depression)
    喪失の現実を受け入れ、深い悲しみや空虚感が押し寄せる。
  5. 受容(Acceptance)
    「この子はもういないけれど、私の中にはずっと生きている」
    穏やかに思い出を振り返れるようになる。

これらの段階を、すべての人が順番どおりに経験するわけではありません。
人によっては、行き来したり、何度も同じ段階を繰り返すこともあります。

「前を向かなきゃ」じゃなくていい

グリーフに“正しい乗り越え方”はありません。
周りと比べて自分を責める必要は、まったくないのです。

「今はまだ前を向けない」
そう思えたなら、それがあなたの心が出した素直な答え。
それで十分なのです。

悲しみを無理に終わらせようとしないこと。
その感情に、少しだけ優しくなれること。
それがペットのグリーフケアの、何よりも大切なスタートなのです。

「話す」「飾る」「祈る」――グリーフケアは、あなたのペースでいい

「ペットのグリーフケア」と聞くと、何か特別なことをしなければならないと思ってしまうかもしれません。

けれど実際には、心を癒すための行動は、日常のなかのささやかな選択で十分なのです。

ここでは、多くの飼い主さんが実践しているグリーフケアの3つの方法をご紹介します。

手紙を書く、思い出の品を飾る、手を合わせて祈るという、ペットグリーフケアにおける3つのケア方法を表した横並びの写真

①「話す」――悲しみは、声に出すことで動きはじめる

誰かに気持ちを話すことで、自分の心に気づけることがあります。

  • 家族や友人に思い出を語る
  • SNSや日記で気持ちを記録する
  • 亡くなった子に手紙を書く

小田ペット葬祭で開催した「ペットと私のグリーフケア」セミナーでも、
口にした瞬間に涙があふれ、「ようやく自分の悲しみに気づけた」と語る参加者が多くいらっしゃいました。

②「飾る」――今も一緒に暮らしているように

  • お気に入りの写真を飾る
  • 首輪やおもちゃを大切に保管する
  • メモリアルグッズや位牌を用意する

こうした行為は「いつまでも引きずっている」のではなく、
愛情が今も続いていることの証です。

目に見えない存在になったとしても、
心のなかで“関係を結びなおす”時間は、かけがえのない癒しになります。

③「祈る」――“ありがとう”と“またね”を心に置く

  • 納骨や供養を行う
  • 月命日にお花を手向ける
  • 手を合わせて語りかける

「何もしてあげられなかった」という後悔があったとしても、
こうした“静かな祈りの時間”を持つことは、
心にあの子との絆を刻み直す行為でもあります。

もし迷ったり、方法がわからないときは、
私たちのようなペット葬祭事業者がお手伝いできることもあります。

次章では、グリーフケアの専門家である阿部美奈子先生によるセミナーの様子や、
参加者の心の変化について、くわしくご紹介します。

涙が出たのは、ちゃんと“つながっていた証拠”でした

2024年、小田ペット葬祭では「ペットと私のグリーフケア」というセミナーを開催しました。

講師は、医療ソーシャルワーカーとして病院やホスピスで看取りやグリーフケアに関わってこられた阿部美奈子先生
ペットロスに悩む飼い主さまや、ご家族の心に寄り添う場として、穏やかな雰囲気の中でセミナーは進行しました。

「心が追いつかないまま、日常だけが進んでいく」

先生は、参加者の心の揺らぎに対して、次のように語られました。

「大事に想っていたからこそ、悲しみも大きくなる。
悲しむのは、当たり前のことなんです」

グリーフケアに深く関わってこられた先生の、やさしく力強い言葉でした。

手紙を読む、写真を飾る、といった行為は、私たちの心にとって大切な“儀式”のように思えました。」

セミナーでは、亡きペットに向けた手紙を持参された方もいらっしゃいました。

ットグリーフケアセミナーの様子。参加者が亡きペットへの手紙を読み上げ、心を分かち合っている場面の再現画像。
読み上げられる手紙には、感謝や後悔、深い愛情が込められており、参加者同士の心の交流が生まれる時間となりました。

悲しみを「なくす」のではなく、「抱えて生きていく」

セミナー後には、「泣いていいんだと思えた」「一人じゃないと感じた」といった感想が多く寄せられました。

阿部先生はブログ内でも、ペットのグリーフケアについて次のように言及されています。

「悲しみに蓋をせず、悲しみとともに生きる。
そのことが、心を守ることにつながるのではないかと思います」

このセミナーは、亡くなったペットのためでもあり、残された私たちの心を少しずつほどいていく、
そんな静かな“通過点”としての役割を果たしていました。

次章では、グリーフケアを終えて、
“これから”をどう生きていくかについて、やさしく綴っていきます。

さようならではなく「ありがとう」で心を結ぶ

ペットとの別れを受け入れながら、空を見上げる30代女性の後ろ姿。グリーフケアの最終段階で心を整えていくイメージ写真。

ペットとの別れは、日常のささやかな瞬間にふとよみがえります。
食事の時間、散歩道、写真のアルバム……
「もういない」とわかっていても、心が追いつかないこともあります。

でも、それはあなたがあの子を大切に想っていた証です。
深く愛したからこそ、深く悲しむのは当然のこと。

無理に「立ち直ろう」としなくても構いません。
グリーフケアとは、悲しみを消すことではなく、その悲しみと共に生きていくための歩みだからです。

写真を飾ること。
手を合わせること。
誰かに思い出を話すこと。

それらはすべて、あなたなりのグリーフケアであり、
あの子とのつながりを、心の中で優しく保つための方法です。

小田ペット葬祭では、グリーフケアを必要とする飼い主さまに寄り添う取り組みを続けています。
今後も、阿部美奈子先生とのセミナーをはじめ、
心の拠りどころとなる時間や場を大切にしてまいります。

このブログ記事が、
今まさにペットロスと向き合うあなたの心に、
ほんの少しでもそっと寄り添えていたなら——
それ以上のことはありません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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